第六回市民公開サイエンス講座報告

第6回の市民公開サイエンス講座は、総務省地域力創造アドバイザーで、内閣府地域活性化伝道師の長野県飯田市で、地域再生診療所 所長の井上 弘司氏の、「津軽半島でのフードツーリズム」というタイトルで実施しました。

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 まず驚いたのは、地域の環境破壊は、大型スーパーマーケットの進出で郊外の田んぼがどんどん消えて、自家用車でなければ買い物ができない状況も環境破壊ということです。今の社会は工業のみでは消滅してしまうという事です。
 経済だけの農業経営もおかしい。日本はどんどん自給率が下がっているのも、とても大事な問題であるとの指摘でした。

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また、過去の教訓ではないが、天明の飢饉の時、江戸には米がいっぱいありましたが、藩の財政は厳しく津軽藩で、飢え死にした人がたくさんでました。また、天保8 (1837) 年,大塩平八郎が大坂で起した反乱は、同7年の大飢饉で大坂にも餓死者が続出しました。東町奉行跡部山城守良弼はなんら救済策を講じることなく,かえって大量の米を江戸へ回送したため,米を買占めた豪商らは暴利を博したが、多くの阪兆民は餓死したことを通して、基本は、食べ物は自分達でつくり、自給自足することだと言ってくれた。また、TPPはその反対の事をやろうとしている。自給率は下がる一方であるとも教えてくれました。
 このままだと日本の農業は消滅してしまう。フード・暮らしに根づいた取り組みが必要と話してくれました。

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 また、最後に、津軽半島環境研究センター副所長の永井雄人は、国立環境研究所から届いた南極の氷を参加者に小分けし、北極海の温暖化が気候の蛇行を変え、その蛇行の影響で、日本は今、異常気象という現象が起きている事を紹介し、IPCCも地球温暖化の対策として、脆弱な地域を見直し、その対策はその土地に適応していくしかないという発表をしている事を紹介し、来年度以降の取り組みとして、昔から、地域に残っている言い伝えなどから、地域内の課題解決策を、今回参加している方々がリーダとして地域内のネットワークを形成し、調査をしていく活動を展開していこうと呼びかけて終わりました。
 全6回の市民公開講座に参加した、学生・一般市民の皆さまありがとうございました。
 2016年度も、引き続き活動を展開して参ります。

津軽半島環境研究センター
所長 塩谷 未知
平成27年12月7日